テレビには映像を映し出すパネルがくっついているわけですが、実はこのパネルには様々な種類があります。
種類によってそれぞれ特徴があり、もちろん得意な場面や不得意な場面もあります。
テレビを購入する上でこのパネルの違いは大きなポイントとなりますので、今回はテレビに搭載される主なパネルの種類とそれぞれの特徴をご紹介したいと思います。
現在使用されているパネルは大きく分けて5種類
現在テレビに搭載されているパネルは大きく分けて以下の5種類存在しています。
- 有機EL
- TN
- VA
- IPS
- ADS
この中で液晶テレビと呼ばれるのは、有機ELを除いた4つのパネルを搭載したテレビの事が主に言われます。
それぞれ特徴を見ていきましょう
TN(Twisted Nematic)パネル
TN(Twisted Nematic)パネルは別名ねじれマティック液晶と呼ばれています。
詳しい仕組みは他のサイトにお任せするとして、ここではTNパネルの特徴を見ていきましょう。
TNパネルの特徴には以下のようなものがあります。
以上がTNパネルの大きな特徴です。
TNパネルは応答速度が速いという特徴から、テレビに使われるよりもゲーミング用途のPCモニターに採用されることが多いです。
というのも遅延が許されないようなシビアなゲーム等で画面の切り替えを優先したい時にTNパネルの応答速度の速さが非常に適しているからです。
またコストが安いという事もあり、ゲーミング用途以外でも低価格のテレビに採用されることが多いです。
しかし、視野角が狭かったり映像が白っぽく見えたりとゲーミング用途であれば応答速度とのトレードオフで納得できますが、映像を見ることが主なテレビの場合は、視野角が狭い&白っぽく見えるというのはあまりよろしくありません。
ただ、そこは安い事を優先してTNを採用するので、ある程度は我慢しなければならないでしょう。
VA(Vertical Alignment)パネル
続いてVA(Vertical Alignment)パネルに付いて見ていきましょう。
VAパネルはTNパネルが白っぽく見えてしまう欠点を補ったパネルになります。
構造自体はTNパネルによく似ています。
VAパネルには以下の特徴があります。
VAパネルの主な特徴は以上になります。
VAパネルの最も特徴的な部分は、コントラスト比に優れているという事です。
コントラスト比というとやや難しいかもしれませんが、簡単に言うとくっきりはっきりとした映像になるという事です。
TNが白っぽくなるという欠点を補って黒が綺麗に発色しますので、他の色が際立って発色し、全体的にくっきりとした映像になります。
このコントラスト比の高さは今回紹介する液晶パネルの中で最も優れていると言っても過言ではなく、コストの安さも相まって多くのテレビに採用されているパネルになります。
しかし残念ながら視野角はTNよりは広いけどめちゃくちゃ広いというわけではなく、横方向や上下方向から見たときに色の変化や黒の質感に影響が出てしまいます。
具体的にはテレビ台にテレビを置いて床に寝転がってテレビを見上げるぐらいでも色が変わってしまいます。
ただ今のVAパネルはある程度改善されており、そこまでネガティブに考える項目では無くなっています。
IPS(In-Plane Switching)パネル
続いてIPS(In-Plane Switching)パネルの特徴を見ていきましょう。
IPSパネルはTNやVAで欠点となっていた視野角の狭さを改善したパネルで、色の再現性も高いパネルになります。
IPSパネルの特徴は以下の通りです。
以上がIPSパネルの特徴になります。
基本的には液晶パネルの中で最も視野角が広いという点を強調されることが多いパネルです。
また、色の再現性の高さも同じぐらい言われます。
VAの「発色が良い」と「色の再現性が高い」はどう違うのかというと、単純に説明すると色の数が多いという事です。
VAパネルよりも使うことのできる色が多いという点を再現性が高いと言っています。
IPSパネルは視野角の高さを活かして様々な角度から見ることが想定される用途に使用されます。
例えばデジタルサイネージやパソコンの画面など、様々な角度から見たときに映像が崩れない事が求められるところに使用されます。
もちろんテレビにも採用されているモデルがありますが、VAパネルよりもコストが高いため、若干価格が上がる傾向にあります。
ADS(Advanced super Dimension Switch)パネル
最後に紹介するのはADS(Advanced super Dimension Switch)パネルです。
ADSパネルは、実は先ほど紹介したIPSパネルとほぼ同じパネルになります。
よって特徴とかもIPSと同じでほとんど違いはありません。
ではなぜ名前が違うのかというと、単純に開発した会社が異なっており、それぞれで名前を付けたためになります。
どちらが歴史的に古いかというとIPSパネルになります。IPSパネルが先にできており、ADSパネルは比較的最近出てき始めました。
ただ性能的には同じなので名前は違いますが同じものと思って貰って構いません。
唯一違うのは、IPSよりもややADSパネルのほうが安価であるという事です。
IPSを採用する場合は色々お金がかかるのですが、ADSの場合はそれらが安く済むため最近ではADSパネルを採用するメーカーも多くなりました。
とりあえずIPS=ADSと思って貰っても大丈夫です。
テレビを選ぶ際には採用されているパネルにも注目してみよう
今回は液晶パネルの種類について色々紹介してきましたが、パネルごとに得意不得意があります。
VAはコントラストが高く発色の良い黒。IPSは視野角が広く色の再現性が高いなどなどあります。
テレビにはそれぞれ採用されているパネルが異なるため、自分が検討しているモデルがどのパネルを搭載しているかにも注目すると、より自分に合ったテレビを選ぶことができるかもしれませんね。
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